千年彫刻とは

千年彫刻とは1000年をかけて巨大彫刻建造物を制作するプロジェクトです。「技術者の育成や継承」「日本の新たな観光地の創造」「人類が深く思考できる場所の建造」の3つを軸として未来の文化遺産を目標に制作をしております。現在「大佛師 奥西希生定海」が日本の伝統技術を駆使して20年の歳月をかけ巨大彫刻「立体六道輪廻図(ろくどうりんねず)」を制作中。
初代彫刻制作責任者 / 大佛師

奥西希生定海

KISHOU JYOUKAI OKUNISHI

株式会社 鎌彫 代表取締役 / 株式会社 千年彫刻 代表取締役

1979 神奈川県鎌倉市に生まれる
1997 鎌倉学園高等学校 卒業
2004 東京藝術大学 美術学部彫刻科 卒業
2006 東京藝術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻修了
2015 「株式会社 鎌彫」設立
2020 「大佛師」の称号を授興
2023 「株式会社 千年彫刻」設立

代々職工の家系に生まれ幼少の頃から木彫、漆芸の技術を学ぶ。東京藝術大学を修了後、日本橋三越を中心に東京、大阪、名古屋など全国で展覧会を開催。「芸術」としての彫刻を学ぶと共に、鎌倉時代の古典技術を研究。650年間伝承の途絶えていた鎌倉仏師の 技術「土紋」を復興。その実績が認められ「大佛師(だいぶっし)」の称号を授興。 2015年に寺社の仏像、仏具を制作修復する「株式会社 鎌彫」設立。「過去の文化遺産を守る事業」と並行して「未来の文化遺産を創る事業」として「株式会社 千年彫刻」を設立。 千年彫刻事業の初代彫刻制作責任者に就任。

「株式会社 鎌彫」に関してはコチラ

現在の制作状況

2024年時点

現在輪廻図の左下に入る「馬頭観音坐像」がほぼ完成しております。横4m×高5m×厚2mの大型彫刻の為、20年という時間を要しますが、いち早く皆様に全貌をお見せできるよう制作しております。活動は皆様のご寄付によって成り立っております。本事業へのご支援の程宜しくお願い申し上げます。

深譚殿

1000年彫刻

千年彫刻「深潭殿(しんたんでん)」の最終完成図。1000年をかけて建造物の内外を「東洋彫刻の技術の粋」を駆使した木彫刻で埋めた「巨大彫刻建造物」。深潭とは「底の深い淵」を意味する仏教用語です。作品テーマは「人の生と死-地獄と極楽」。この建造物は「技術の伝承」や、「新しい観光地の創造」「現代の技術を駆使した新たな文化遺産建設」等の役割を持ちますが、最も重要なのはこれからの人類に深くゆっくりと考える時間、場所を創ることです。作者の原点である「美しいものを見る時に人は最も正しく思考できる」との想いが込められています。

地獄堂

500年彫刻

全体の左右に経つ2本の塔「地獄堂」。中心に置かれる「極楽」を題材にした中央塔に対して建つ「地獄」を題材にした2つの建造物です。「炎の地獄」「氷の地獄」を表しており各250年の期間で建造。仏教書「往生要集(おうじょうようしゅう)」に残されている地獄の形に準じた地獄の形状、寸法をしており人の「罪と罰」を可視化することで人間について改めて考える場所となります。作品のテーマは罪業。我々が生きる上で避けることのできない罪。認識はしているはずだが深く考えることをしない自己の罪と業について改めて考える場所となります。

輪廻堂

150年彫刻

「500年彫刻 地獄堂」の1階部分中央に建設され、建造物の内外を「東洋彫刻の技術の粋」で埋めた「巨大彫刻建造物」。輪廻〈さまようこと〉の語源から我々人類がこれから何をどう考えるべきかを思考する場所となります。作品のテーマは「再考」。私達が今まで蓄積してきた英知や罪を改めて学び、常に現代に合わせた新しい哲学を考え直す場所となります。

立体 六道輪廻図

20年彫刻

最初に制作する千年彫刻全体の最も中心「本尊」に当たる巨大彫刻「立体 六道輪廻図(ろくどうりんねず)」。六道輪廻図とは仏教で生物がその業(ごう)によって転生する6つの世界を表した円形の図です。六道とは「天道〈如意輪観音(にょいりんかんのん)〉」「人間道〈准胝観音(じゅんていかんのん)〉」「修羅道〈十一面観音〉」「畜生道〈馬頭観音(ばとうかんのん)〉」「餓鬼道(千手観音)」「地獄道〈聖観音(しょうかんのん)〉」の6つがあり、それぞれの世界に応じた六観音が存在しています。私達がその業で輪廻する世界全体を表したもので、人の生と死を考える千年彫刻の世界観を一つにまとめた最も重要な大型彫刻となります。

© Sennen Choukoku